歴史のその先。

桃原寺は1779(安永8)年、近江国琵琶湖の東、桃原(もばら)村に建立されました。1894(明治27)年、長崎県北高来郡小栗村(現在の諫早市川床町)西林寺の衆徒であった緒方深勇が一念発起し桃原寺の住職となりました。その後、西林寺の説教所であった当地に山号寺号を移転し、現在に至ります。

 1927(昭和2)年、第二世克己により建立された本堂は、トラス構造と和小屋組を組み合わせた工法で外陣に柱を必要とせず、広々とした独特の趣を持っています。

 第三世好正は1959(昭和32)年の諌早大水害で甚大な被害を受け、農地復興に奮迅する近隣住民の子育ての一助となるべく、社会福祉法人もはら保育園を創設し、また80基からなる納骨堂を建立し墓参の利便に貢献しました。 第四世正典前住職に至り老朽化した庫裏を新築し、1997(平成9)年、蓮如聖人五百回忌とともに落慶法要を勤めました。

 1991(平成3)年、日本全国に甚大な被害をもたらした台風17号、19号で桃原寺本堂も大きな損害を受け補修作業を行うものの、雨漏り等の状況は年を追うごとに悪化し続けてきました。

 この度、長年の願いが実り本堂の屋根瓦葺き替えを始めとする改築工事が円成し、門信徒とともにお念仏相続の拠り所である本堂を後世に伝えることができます。

2017(平成29)年11月11日・12日の二日間に渡り、親鸞聖人750回大遠忌、本堂改築落成慶讃法要、第五世住職継職奉告法要を厳修し、湖東山桃原寺は新たな一歩を始めます。 称名  

第五世住職 釋正親